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傾聴の歴史ーその6

更新日:2021年1月16日



1980年代、看護・教育・福祉の分野へ

 80年代に入ると、傾聴というキーワードは看護や教育、福祉の分野でヒットし始めます。


・小児看護(雑誌 へるす出版, 1984-02

・月間生徒指導(雑誌 学事出版, 1986-09

対人援助 : ソーシャルワークの基礎と演習 (Minerva社会福祉基本図書 ; 3) (図書 平岡蕃 [ほか]著. ミネルヴァ書房, 1988.4)


※国立国会図書館サーチより


 雑誌「小児看護」では、84年の2月号と8月号で傾聴について取り上げ、それぞれ「母親の苦悩をいかに受容(傾聴)するか」、「初診患者に付き添ってきた保護者への関わり方」といった内容が掲載されています。さらには翌年85年、メヂカルフレンド社出版の「看護技術」でも同様の内容が再掲載されており、看護技術としての傾聴とその意識の高まりが確認できます。


 加えて、80年代後半には、学校教育や福祉の分野向けの書籍・雑誌でも傾聴が取り上げられていきます。


 生徒や利用者の話を大切に聴きましょうという大きな流れのなかで、「熱意だけでは聴けない」という内容が目を引きます。関わる側の志しや熱意はもちろん大事だが、思いだけでは空回りをしてしまう場合がある。対人援助という職業だからこそ、聴くということをきちんと技術として学ぶ必要があるのだ、といったことに言及しています。


 このあとも、看護・教育・福祉分野でのヒット数をじわじわ増やしていきながら90年代へと突入していきます。

 ちなみに、看護現場ではターミナルケア、教育現場では80年代「学校の荒れ」が社会問題化、福祉現場では法改正によるホームヘルパー養成の強化など、詳細はまだ調査中ですが、それぞれの分野で傾聴が取り上げられるようになった背景にはやはり社会的な要因や要請があったはずと想像しています。



※画像:ヘルス出版HPより引用



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