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傾聴の歴史ーその4

更新日:1月16日



1960年代、ビジネス分野で傾聴スキルが注目され始める

 前回までの記事でご紹介したように、現在の日本で見聞きする「(ロジャーズの提唱した)傾聴」の考え方は、もともと海外の臨床心理の現場で培われてきたものでした。


 では、日本で「傾聴」という言葉が一般的に使われ始めるのはいつ頃なのでしょうか?


 ここは諸説様々ですが、ひとつには1960年代の前半。ビジネスの現場において傾聴という言葉が扱われていきます(カウンセリングなどの専門分野は除く)。


 例えば、国立国会図書館サーチで「傾聴」とキーワード検索をかけ古い順から見てみると、「面接による社員教育の実際(圭文館/1961)」「会議術入門ー能率・効果・アイデア倍増の鍵(ミリオンブックス/1963)」など、1960年代の書籍のタイトルや目次のなかに「傾聴」という文字が含まれ始めます(医療分野の記事なども一部ヒットします。ただ、ビジネス分野のものが多い)。


 この時代、当時の社員教育や、いかに会議をスムーズに進めるかといったビジネスマン向けの会議術、あるいは人を動かす話し方、クレーム処理の方法などを扱ったビジネス書のなかで、傾聴のスキルが紹介されています。

 個人的に目をひくのが、「職場管理のすすめ方:機能主義経営管理法(横山定雄 著. 経林書房, 1965)」のなかにある「説得課長と傾聴課長」という章立てです。職場における部下との上手なコミュニケーションの例を説得課長と傾聴課長という2つに分けて紹介しているのですが、現在の新書などにも十分ありそうな内容です。


 現在は傾聴ボランティアなど、地域福祉分野のイメージが強い傾聴ですが、文献をベースに時代を遡ってみると、意外にもビジネスの分野から傾聴の活用がスタートしているというのは興味深いところです。


 もちろん、海外同様に、日本のカウンセリング現場などではもっと以前からロジャーズ的な傾聴は浸透していたと思います。ただ、私たちの日常や生活など、より身近なところで傾聴のスキルが注目され始めたのは、ビジネスの分野が最初と捉えることが出来そうです。


※画像:amazonより引用


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